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大谷まさひこ(議会)討論

「討論」とは・・・
  議会の生命線ともいうべきものです。議員の思想・信条に基づく価値観が表現されることになります。 市議会には、市長提出議案(予算案・補正予算案、条例の制定・改正案及び人事案など)や、議員提出議案(予算修正案、条例改正案、意見書など)及び市民等が提出した請願などが本会議に上程され、提案者から提案理由の説明が行われます。議案に対する質疑を経て、基本的に4つの常任委員会に分割付託されて委員会審査を行い、本会議に各委員長より審査結果(委員会としての可否の結論)が報告されます。 その後、委員長報告に対する質疑を行い、議案の可否を決める採決の前に、「議案に反対する意見」、「議案に賛成する意見」を討論として交互に表明します。議会の本義は、討論の応酬によって適正な結論を求めていくところにあると考えますが、現実は形骸化しています。 市長と議会の馴れ合いが進むと、重要な議案に反対討論が行われれば、当然、賛成の議員が賛成討論をするところが、賛成討論もなく賛成多数という採決結果が見られます。

議案第58号「牛久市税条例の一部を改正する条例」への反対討論を行います。

 私は、昨年の「平成18年度予算要望書」において「全期前納報奨金制度」復活を求めましたが、執行部からはいつものことながら何の音沙汰もありませんでした。極めて遺憾であります。
 そうした立場で本議案に反対することには、極めて心苦しいものがありますが、牛久市政への納税者・住民の信頼をこれ以上損なわないために、さらには牛久市の民主主義政治を守るために認めることはできないのであります。
 この提案を検討して感じたことは、池辺市長と私は、経済合理性を重要視する点においては共通しておりますが、たとえ同じことを考えたとしても、住民福祉第一で考えるか、それを考えながらも選挙を意識し自らの利害得失を常に意識して考えるか、この基本ポリシーの相違によって、大きく長期的なバランス感覚に基づいた行政執行と、目先の人気取りに汲々とする場合があることであります。
 それでは、議案第58号として提案された「牛久市税条例の一部を改正する条例」に反対する理由を申し上げます。

@池辺市長は、平成15年9月の市長選挙において「情報の共有化日本一」との公約を掲げて当選しました。然るに、池辺行財政改革の第一弾として平成15年第4回牛久市議会定例会に、議会には何の前触れもなく、突如として提案されてきたのが、「全期前納報奨金制度」の廃止でありました。市長のもつ提案権を否定するつもりなどは毛頭ありませんが、いきなり議会に刃物を突きつけるような議案提案の手法は「情報の共有化日本一」との公約破りであります!
A私たち議会議員は悩みました。しかし、財政悪化の責任は議会にもあるとして議員報酬削減の条例提案をしていた私は、提案理由には示されていないものの経常収支比率が、このままでは100%を超えてしまうことを懸念しておりましたので、前納報奨金がなくなることによって財政の資金繰り悪化を心配しながらも、やむを得ず賛成したものでした。この突如の制度廃止提案を行っておきながら、このたびの復活提案は、定例記者会見において公表されました。私たち議会側は新聞報道によって知らされたのであります。こんなことを認めてしまえば、二元代表制を否定することに等しく、私たち議会の存在を辱めるだけにとどまらず、市長独裁を認めることになってしまいます。
B安定した行財政運営・市民と協働する行財政運営を行うためには、納税者・住民からの信頼を欠かせることができませ。猫の目のようにコロコロと、止めたかと思ったら、暫く時間が経過すると復活させるということを多々繰返している行政をだれが信用してくれるのでしょうか。このような行財政運営による 制度復活は、行政への納税者・住民の信頼を裏切ることになるのであります。
C制度改革を行うためには、常に大義名分を納税者・住民並びに議会に明示して説明責任を果たさなければなりません。平成15年第4回牛久市議会定例会において池辺市長が述べた提案理由は、「市税の全期前納報奨金制度は、地方自治法発足当時より実施してまいりましたが、納税者間における公平性の確保、また制度設置の目的はすでに達成されているとの判断から廃止するものであります。」とありました。然るに、本市議会定例会における市長の提案理由は、「本件は、行財政改革の成果として、前納報奨金の制度を復活し、早期優良納税者を増加させることにより、現年度収納率を高め、財源確保を図るものであります。」とされています。この二つの提案理由を、日本語を理解する人が読めば、何の関連性も整合性もないことは明白であります。その時々の気分や人気取りによって、説明責任を果たさないまま、大義名分を欠く制度改革を行うことは行政への不信感を招来することになります。
D池辺市長が、行財政改革に真剣に取り組んでいることを否定する人はいないのではないかと考えます。しかしながら、余りにも近視眼的に思えるのであります。本市議会への制度復活の理由として前段に、「行財政改革の成果」を挙げておられますが、団塊の世代の退職期を目前に控え、「納税者から行政サービス需要者になっていく人が増えていくんだ!」との市長自らの議会答弁とは相容れないものであります。牛久市の施設整備の現状を見ても、まだまだ不十分です。小泉内閣の特別参与をされている島田教授は、「1,000人の従業員がいる企業を誘致するよりも、200世帯の団塊の世代を呼び込む方が、消費経済効果は大きい!」と主張されていますが、牛久市には住民が魅力的に思える空間や場所はありません。道路整備にとどまらず、まちづくりの道はまだまだ半ばであり、財政的な余裕などは全くありません。また、後段には「早期優良納税者を増加させることにより、現年度収納率を高め、財源確保を図る」という点につきましても、議案質疑における執行部答弁において明らかにされたように、これも根拠のないことばであります。根拠のない意味不明の言葉を弄して提案された全期前報奨金制度の復活は、少なくとも、この提案理由においては認めることはできません。「平成15年に行った制度廃止の結論は早計であった、報償率の見直しで対処すべきであった」ことを表明して提案するべきであります。

 以上が反対理由でありますが、この制度復活を新聞報道によって知って歓迎されている方々もいらっしゃいます。しかし、報奨金を楽しみにしてお金を積み立てて、前納されていた方々のご意見の中にも、牛久市の財政状況に余裕があるなどとは考えていないので「制度廃止によって浮いた税金は切り詰められた福祉サービスの充実に活用して欲しい!」との申入れも受けております。大変ありがたい、全体感に立った貴重なご意見だと思っております。
 いろいろなご意見の納税者がいらっしゃって、反対は極めて心苦しいものがございますが、牛久市政への納税者・住民の信頼をこれ以上損なわないために、そして牛久市の民主主義政治を守るために、断固、反対するものであります。かたくなな反対・感情的な反対と思われる方もいるのではないかと思いますが、民主主義政治の命は手続であり、理解され納得できるように説明責任を果たすことであります。
 討論の終わりになりましたが、議員諸兄・諸姉みなさまのご賛同をお願い申し上げまして反対討論を終ります。ご清聴ありがとうございました。


 



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