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大谷まさひこ(議会)討論

「討論」とは・・・
  議会の生命線ともいうべきものです。議員の思想・信条に基づく価値観が表現されることになります。 市議会には、市長提出議案(予算案・補正予算案、条例の制定・改正案及び人事案など)や、議員提出議案(予算修正案、条例改正案、意見書など)及び市民等が提出した請願などが本会議に上程され、提案者から提案理由の説明が行われます。議案に対する質疑を経て、基本的に4つの常任委員会に分割付託されて委員会審査を行い、本会議に各委員長より審査結果(委員会としての可否の結論)が報告されます。 その後、委員長報告に対する質疑を行い、議案の可否を決める採決の前に、「議案に反対する意見」、「議案に賛成する意見」を討論として交互に表明します。議会の本義は、討論の応酬によって適正な結論を求めていくところにあると考えますが、現実は形骸化しています。 市長と議会の馴れ合いが進むと、重要な議案に反対討論が行われれば、当然、賛成の議員が賛成討論をするところが、賛成討論もなく賛成多数という採決結果が見られます。

平成20年第1回市議会定例会【採決前:大谷まさひこ討論】

「その一」

平成20年度一般会計予算は、市民の常識を大きく逸脱した編成方針に基づくものであります。よって、納税者・市民の代表者の一人として認めることはできません。良心に従って反対討論を行います。

池辺市長は提案説明において、平成20年度当初予算編成の基本的な考え方についてご説明申し上げます・・・と前置きし、次のように述べました。
『国の平成20年度地方財政計画の規模は(中略)・・・。予算編成の考え方ですが限られた財源から最大の行政サービスを市民の目線で展開することを最も重要なテーマとしております。』ここまでは至極妥当な考え方であり、予算編成方針に賛同いたしましたが、そのあとに、この方針と矛盾する次のような説明がありました。
『平成20年度の一般会計予算の総額は(中略)・・・。歳入のうち、自主財源である市税は、ひたち野地区における使用収益の開始等に伴う固定資産税や都市計画税の増により、121億1,832万2千円と対前年度比2.5%の増を見込んでおります。
(中略)・・・。また、19年度当初予算において約5億8000万円を繰り出しした財政調整基金は20年度においては取り崩すことなく予算編成を行っております。』

 私は予算委員会において『約11億円ある財政調整基金は決済性預金であるために、ほとんどが無利子の蓄えです。それなのに、この貯えを使うことなく利息を払うことになる借金を増やして予算編成したことは理解できない。』と市長に質したところ『資金繰りの問題があるから、それに備える必要がある。』という答弁でした。
 確かに、資金繰りに配慮することは重要なことでありますから、妥当な説明として聞いた議員も、予算委員も、いらっしゃったかもしれませんが、予算や財政収支を確認したところ、その市長答弁は全くの詭弁であることが判明しました。

 まず、平成20年度の一般会計には1億9000万円の繰越金があります。
 参考までに、19年4月〜6月の3カ月間の「会計別収支月経表の収支合計を確認してみました。
 一般会計では、4月の収入済み額=約14億9769万円、支出済み額=約12億9212万円、収支差引残額=約2億556万円でした。
5月は、収入済み額=約30億4435万円、支出済み額=約12億8796万円、差引残額=約19億6196万円です。
6月では、前月からの繰越額=約19億6196万円。収入済み額=約29億9483万円、支出済み額=約12億6035万円、収支差引残額=約36億9644万円でした。
つまり、一般会計の資金的余裕は6月29日現在において、約37億円あたという実績がありました。他の会計も合わせれば(中略)6月29日現在では、約52億円の余裕があったのです。

平成20年度一般会計予算は、市税の前年度比=2億9000万円の増収を見込んでおり、微増の可能性は大きくとも減ることは考えられません。
従って、資金繰りを意識する必要はさほどありませんから、財政調整基金を温存して市債を増発しなければならない理由は全く見当たりません。

私は、何人かの市民に『利息のつかない預金を残した、利息を払う借金を増やす予算編成をどう思いますか?』と聞いたところ、すべてのみなさんが、『市長がそんな愚かなことをするなんて、信じられない!』と異口同音の返事でした。
私たち市議会議員は、納税者・市民の代表者です。市民の常識と大きく乖離した予算、予算委員会における虚偽答弁の末に可決された予算・・・を支持することは、市議会不要論が蔓延して55%にも及んでいる今日、そんな中でも私たちを信じて支持してくれた市民への裏切り行為に等しいことだと考えます。

新年度一般会計予算に反対することは、極めて苦渋の選択ではありますが、増税に耐えている納税者に応えるためには、市民の代表者としての責任を自覚している証として、決断しなければならないものと考えています。

市民を代表する、議員職位ならびに諸姉の良識と良心に基づたご判断によって、私の反対討論にご賛同くださいますよう、衷心よりお願い申し上げました反対討論を終わります。 
【採決結果。反対4:賛成17】


「その二」

 議員提案第一号および請願第一号(職員組合の組合費給与天引きを求めたもの)について、納税者・市民の代表者として、また良識をもつ多くの市民の意見に基づいて賛成討論を行います。

 平成19年第4回市議会定例会における条例改正によって、本年4月1日より「職員組合費のチェックオフ」を行わないことになっています。
 組合費の給与天引きを、単なる慣行として続けることが妥当でないことは私も賛同するところであり、法制度に基づいた行政を行うことは当然のことだと考えています。したがって、条例改正を行ったこと自体は評価いたしますが、組合費チェックオフを組合への便宜供与に当たるとして、無条件に止めることにしたことは理解できないことであり、到底、支持できないところであります。

 その理由は、それによって、市役所における市長と職員の間の信頼関係を大きく失墜させているからです。今更言うまでもなく、人間社会の組織はいかなる機関においても、その目的を達成するためには、執行部と職員がお互いに信じあえることが必要不可欠であると信じています。
 市役所においては、市長の命令を、職員が気持ちよく、素直に受け止めて、職務にまい進する職場環境を整えることが大切です。さらに、池辺市長としても、納税者・市民に対する市長としての行政責任を果たすためにも、職員の協力的な仕事ぶりが、必要かつ不可欠なものです。

 職員組合のアンケート調査によれば、チェックオフ廃止に反対する職員は270名中226名=84%に及び、組合費の支払い方法は今後とも給与天引きがよいとする職員が228名=84.5%・・・にも及んでいるそうであります。
 組合費チェックオフが、仮に便宜供与に当たるとしても、それを回避するための方法をとれば何の問題もありません。
 納税者・市民への、行政サービス向上をより一層進めるためにも多くの職員の意向を尊重することが適切です。さらに、市長への職員の信頼を取り戻すためにも、組合費のチェックオフを継続して行うようにすべきだと考えています。

 市議会は、市長と職員組合の感情的な対立を、座視し、黙認することは許されません。それでは、議会の存在そのものさえ納税者・市民から問われます。
 静かに蔓延している市議会不要論を、これ以上、大きくしないためにも、いまこそ議会の見識を示さなければなりません。よって、納税者・市民のための行政サービスがより円滑に行えるよう、議会が立ち上がって、市長と職員組合の関係改善を求めなければなりません。そのために、職員組合費のチェックオフを可能にする条例改正が必要だと考えています。

 市民を代表する議員諸兄ならびに諸姉の良識と良心に基づいたご判断によって、私の賛成討論にご賛同くださいますよう、衷心よりお願い申しあげまして賛成討論を終わります。 
【採決結果。賛成8:反対13】



 



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